1830年、ウラル山脈にあったエメラルドの鉱山でアレキサンドライトは発見され、発見日がロシア皇帝アレキサンダーU世12歳の誕生日だったことから、世にも希な存在の石にふさわしい名としてアレキサンドライトと名付けられました。
また、軍服の色が赤と緑だったロシア人にとって、特別な価値のある石となりました。
アレキサンドライトは、クリソべリルに属する鉱石で、昼はエメラルドのようなグリーンの輝きを放っているのに、夜に蛍光灯やろうそくの灯を当てると暗赤色になる変色効果を示すという特性を持っています。
多色性と呼ばれる、角度によって色が変化しているように見える色石はありますが、アレキサンドライトのようなガラリと色が変わる変色性とは明らかに異なり、
このような変色はアレキサンドライトと、その他の一部の宝石のみに起こる現象です。
硬度も8.5と、貴石として申し分ない硬さを有しているうえ、産出量が少ない為に希少価値も高く、ジュエリーコレクターにも大変人気があります。
アレキサンドライトが数あるクリソベリルのなかで類稀な色性を持つのは酸化クロムの及ぼす影響のためです。
アレキサンドライトはグリーンとレッドの中間色的な色のバランスを保持しており、光線を吸収した際に酸化クロムの影響を受けて着色効果が現れるます。この時、光の種類によって緑になったり赤になったりするのです。