ラテン語の「青」を名前の由来に持つサファイアは、鉱物学的にはコランダム(鋼玉石)に属する、ルビーと同じ鉱石です。
石中に含用される酸化クロムの割合によって色が変化するのですが、そのなかで情熱的な赤に輝く石をルビーとし、他の色のコランダムをサファイアとして一括したのです。
薄い赤色のコランダムをピンクサファイアと呼ぶのは、このためです。
ルビーと同じ鉱石の為、サファイアの硬度もルビーと同じ9で、ダイヤモンドに次ぐ硬度を持つ貴石です。
かつてサファイアはインドやビルマでも、良質なものが豊富に産出されていましたが、最近ではインドの鉱山は閉山になり、ビルマでもほとんど採れなくなり、大粒で良質の原石の産出は難しくなりました。
現在は、良質のサファィアの産出の殆どはスリランカです。
最高級といわれるサファイアは、軟らかい光沢を放つ紫がかった濃いブルーの一品は、矢車草の花の色に似ていた事からコーンフラワーブルーといわれていますが、最近は市場にさえほとんど出回らない「幻の逸品」となっています。
質・量とも産出量不足となった結果、近年のサファイアの稀少価値が高まっています。
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